アリーシャ追い乾燥焙煎


先日行ったエチオピアイルガチェフェアリーシャ乾燥実験について書きます。


はじめに、生豆の水分量は製法によって異なりますが私が焼く豆ではざっくりとナチュラル(天日製法)8%前後、ウォッシュド(水洗製法)11%前後のものが多いです。

そして当店で焙煎する豆の9割がナチュラル。理由は私の味の好みです。

今回は生豆到着後、そのまま焼いた豆とさらに乾燥させ水分量を下げた豆を比べてみました。


使用した豆はエチオピアイルガチェフェG1規格のアリーシャ地区の豆。今回はwete ambela社のアリーシャを使っています。(ちなみに1番好きなアリーシャはBNT社のもの)

乾燥はオートドライデシケーターにて行いました。アズワン社のsp-sfn

アリーシャを1400gトレーに入れ、湿度30%に設定したデシケーターに15日間入れます。
こちらのデシケーターは温度の上下は無く、設置した室内の温度とほぼ同じ庫内温度となります。


そして待つ事16日目。取り出した生豆の重量は1385g。水分は15g無くなった事になります。


その後、焙煎した後にテイスティングした結果ですが

そもそもこの実験は水分を除く事がプラスに働くイメージで始めましたが、焙煎後5日目までの珈琲は除水アリーシャの方が未乾燥のアリーシャに比べて、わずかに焼け香があり予想に反してクオリティは劣っていました。
6日目以降は除水アリーシャの方がわずかに果実味が上回ってきましたが、こちらは本当にわずかであってほとんど差はありませんでした。


水分値がある一定以下になると焼け香が出てくること、そして寝かせた後に出てくる果実味も決して爆発的ではないという結果でした。

そしてこの実験での1番の収穫だったのが、除水の焼き香が発酵プロセス(アナエロビック)で感じる焼け香と同じだった事。要は発酵プロセスの焼け香が水分値が低い事が原因の一つだと判明した事でした。※全ての発酵プロセスというわけではありませんが多い印象。

この事から、発酵プロセスの加水実験を行なっておりますので、そちらがまとまり次第アップします。


〜以上。


数字より主観の嗜好での表現も多く書く事もあります。そういった軸での実験も多いですので、ご了承下さい。

様々な要因がある中の一部分のみの表記になります。読んで下さった方はたくさんの歯車の一つと考えていただけると嬉しいです。

日頃の焙煎業務での作業を日記的に書きますので、脈絡や順序が整っていない事が多いです。気長にお付き合い下さい。