火入れと酸味。


珈琲の苦味はその他の食品全般と同じで、焦げるという現象によって出てくる味です。

料理でも同じで、火力がつよすぎると焦げるし珈琲もカロリーが伝わりすぎるとその部分は焦げて苦味が出てきます。

珈琲の味で苦味と代表的に挙げられる酸味。

その酸味について、火入れによりどう変わっていくかを書いてみたいと思います

珈琲の酸味。それは焼く前の豆にはありません。

焼くと"ある"ポイントから出てきて、そして焼くにつれて消えていく。
そう考えるととても儚く不思議な存在に感じますが、僕のお店では酸味の無い焙煎が多いです。
少し申し訳ない気持ちになります。


そんな不思議な存在の酸味。

どうすると強くてどうすると弱いのか…
ざっくりいうと中まで良く火が入っていると酸味は消えていく。
火が入っていないレアだと酸味が残る。
という解釈でいいと思います。

ここで言う"中まで"は結構大切なことで
深煎りでも豆のなかがレアだと酸味はあるし、中煎りでも中まで火がしっかり入っていれば酸味は消える。つまり焙煎度合いと酸味の度合いは関係ないわけです。


具体例…

具体的に仮に中煎りの珈琲(苦味のない珈琲)を焼くにあたって、120℃から初めて220℃で焼きどめるのか。60℃から初めて220℃で焼きどめるのかで、同じ焼きどめ、同じ見た目の焙煎度合いの豆でも火は60℃からの方がその分入ってるわけです、そして酸味も少ない。

そして時間、120℃から220℃まで5分で焼いたAの豆。そして30分で焼いたBの豆。
もちろんBの豆の方が火が入り酸味に関しては落ちるということです。

この様に、焙煎時間や温度上昇率などたくさんの要因で酸味は変化していく。と言うことは何となくわかっていただけたかなと思います。

次回は最近僕の面白いなーと思ってる湿度。
酸味と焙煎中の湿度って非常に大きい要因なのにあまり着目されてないよな。について、今わかってること今後の実験についてもだらだら書けたらと思ってます。


※数字より主観の嗜好での表現も多く書く事もあります。そういった軸での実験も多いですので、ご了承下さい。

※様々な要因がある中の一部分のみの表記になります。読んで下さった方はたくさんの歯車の一つと考えていただけると嬉しいです。

日頃の焙煎業務での作業を日記的に書きますので、脈絡や順序が整っていない事が多いです。気長にお付き合い下さい。